スタジオには年に何回か、美術館、博物館の収蔵庫や、倉庫内での調査の作業がある。本日は物流倉庫での絵画の状態調査だ。関東某所にある大きな大きな収蔵庫内には、巨匠の描いた巨大な日本画や、洋画が整然と納められている。スタジオには到底入らないような大物作品群だ。絵も大きいが額も、これまたヘビー級。圧倒される。その中に片手でも容易に持てそうな小さな板絵がひっそり佇んでいる。100年ほど前に、イタリアで描かれたモダンな抽象画だ。白いジェッソ地が施された板に、水性の絵具と、銀色の紙をコラージュしたりして描かれたおしゃれなやつだ。100年前の日本を考えると到底、日本製ではありえない代物だ。板の反りがちょっとキツいのが難点。でも、あまり手はいれず、そっとそっと品のいい額に納めてもね、かわいいですよね。(Yoshin)