今日は、久しぶりにX線の撮影。都内の研究機関にておこないました。いつもは絵画の撮影ですが、今日は、油絵に加えて仏像です。木製の仏さまの撮影となりました。かなり古い物で、室町時代の物とか。仏様の中に何かあるかどうか?調べるための撮影です。結果はさておき、様々なことが分かりました。基本的な構造や、以前に人の手が入ったかどうか、また使用されている材質など。洋釘は内部にはなく、作られた当時の状態にやや近いことも分かりました。撮影を担当してくださった研究者の方と、さまざまな考察がなされましたが、興味深かったのは、内部の釘の状態でした。釘は昔の鋼によって制作された物らしく、X線画像に映った画像には、釘の周りにうっすら散らばる酸化した錆びが現れている様子でした。組み替えたり分解すると消えてしまいがちな些細な痕跡。修復に携わる私には、人の手が入ることのない「いい感じ」の画像に映りました。(TAMAKI)