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絵画の修復工房から発信するスタッフブログ
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ある女流の命日
いまから40数年前の今日、ある女流画家がその波乱の生涯を閉じました。その名は長谷川春子。明治の時代に生まれ、大戦に翻弄されながらも、昭和の時代まで駆け抜けた女流画家です。わたしの好きな女流作家のなかの一人。
明治28年、東京日本橋に7人兄弟の末として生まれた春子は、後に劇作家小説家、随筆家となる長谷川時雨の妹であり、姉の時雨から多くの影響を受けたようでうで、鏑木清方、梅原龍三郎にも師事し、そして1929年には渡仏し、藤田嗣治を訪れて親交をもった。その年、パリのザック画廊で個展を開催、また当時、姉の時雨が発刊した「女人芸術」誌では、春子が美術部門を担当、巧みな漫画を描いたり、また彼女の企画によって、多くの作家たちがその表紙を飾った。多才です。仏より帰国後には、国画会や朱葉会にも出品。そして三岸節子、藤川栄子らと女流画家7人で七彩会を結成しました。なにしろ逞しい女性。
大戦中の彼女はというと、さまざまな活動をおこない、「女流美術家奉公隊」を結成、桂ユキなどを誘い、国策に乗じた活動を牽引した。その時代に描いたのが写真の作品(「少婦國を防ぐ」)。戦後は戦時中の活動が原因で、やや静かな時期もあったが、やがてまた数々の興味ある秀作を作り続けた。晩年には「源氏物語絵巻」五十四帖を完成さ、没後には宮崎宮に奉納されている。1967年(昭和42年)の今日、72才で逝去した。

このブログに掲載したこの未発表作品、長谷川春子作「少婦國を防ぐ」を、今年の文化財保存修復学会で研究の対象として発表します。未発表の戦時中に描かれた作品。明治に生まれ大戦中にも逞しく生きた女性が描いた作品に私は興味を持ちました。発表後はまたHP内で掲示させていただきますので、興味のある方はぜひご覧くださいね。(Yoshin)
ある女流の命日_f0223981_22241563.jpg

by tcstudio10 | 2010-05-07 22:34
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