作品の状態観察、絵具層の観察が続いています。今日は、画面にあいた穴の話。絵には時々穴のあいている物を見かけます。穴と申しましても大きな穴あきは問題ですね。これは事故等によるものでしょう。よく見かけるのが画面の周囲、四隅に小さな穴が空いています。これはなんでしょう。日常、絵を描いたり、また、画材店によく行く人などは分かるでしょうか。屋外で絵を描いて持って帰る時、別のカンバスと面合わせにして、画面に触れないようにするために、針のようなピンのついたものを四隅に留め、面合わせで組みます。すると生の絵具も、触れずに持って帰れます。そんな現場の道具です。あれ、なんて言いましたっけね。このような痕跡は消したくないですね。この穴があいている絵の画面というと、スピーディーに描いている作品だったり、また現場の空気、臨場感が伝わる作品だったり。こんな穴は修理しなくても?いいんです。(でも周囲の絵具がポロポロしてたら直しましょう;笑)(ISAMU)