南京には光華門、中華門や中山門の存在は戦中の記録としても知るところであるが、市内中心部にあたる区域を取り囲んで造られた全長33.6km、世界最大級の規模を誇るという南京城の城壁も存在するという。
にわか勉強しかしていない私には、中国の城壁は、絵の中でも新鮮に観える。今日アップした作品は、やはりあるコレクターの方が所蔵しておられる戦時中に描かれた作品と伝えられている。どうやら日本人作家だ。やはり城門を描いた作品である。この作品も、作品の経年の状態からして、その時代に描かれた物とみて間違いないだろう。今の時代に、写真や資料によって描かれたものではなく、作家は寒い雪の現場にたたずみ、日本兵の足音を聞きながらか描いたのではないか?そんな寒さが伝わってくるようだ。当代の作品、それ自体が貴重な遺物といえる。この作品はひどく痛みが激しく、修復してまた学会で発表したい作品である。