絵具層の話は続きます。浮き上がり?だけだっていろいろなケーススタディありますよね。この画像は、浮き上がった絵具も、かなり症状が進み、ほぼこの症例の末路といっていい。このあとは剥落していくだけ。浮き上がった絵具の下から、真っ白いカンバスの地塗りが現れています。ちょっと絵具と地塗りとの食いつきが悪かったようです。奇麗に剥がれています。こうなると修復もたいへん。
もともと絵が持っていた性質が起因しているようにも見えますね。でも、このような症状を観ると絵の症状は、描き手順、技法、いわゆる組成や素材などが複合、さらにそれを取り巻く環境が招く現象と言えるでしょう。どれか一つ突出して良くても、だめですね、保存ということでは。(Yoshin)