スタジオでは、現在明治期に生まれヨーロッパからフレスコやテンペラなど沢山の絵画技法を持ち込んだ希代の作家の作品の修復と研究をおこなっています。現在、スタジオの今年の研究テーマにもなってます。。
いろいろな形状の支持体で制作された作品のなかに、格子状のパネルを支持体に薄い布にテンペラ(水性を含む媒材)で描かれたと伝えられる作品があります。この支持体ちょと洒落ていますね。
油絵のゴツいカンバスのための支持体としては少し弱々支持体のようにもみえますが、柔らかく繊細な布に描かれた作品をこの格子状のパネルに張込んでいます。工房ではこのパネルから作品を一旦外して、このオリジナルの支持体を比較的安全な材料を用いて補強し、布に描かれた作品もやはり裏打し直して補強修復した後、また張り直しました。新しい素材と材料を使いながら修復し、この雰囲気は残す。どうしてもこの佇まいを残したいですよね。ピカピカの今どきの木枠やパネルでは雰囲気も損ねます。Shigeo