毎年発表している修復学会の発表ですが、スタジオのテーマの一つでもある、戦時下に描かれた作品を修復して発表するというものです。今年は陸上自衛隊輸送学校に保管されていた旧日本軍の軍人画家が描いた珍しい作品です。武藤夜舟をご存知だろうか。いわゆる職業軍人でありながら戦争絵画を描いた人だ。日本画家に入門し、本格的な日本画の技法でさまざまな戦争風景を描き残している。
今回はこの作品の難しい修復の内容と、その作品に秘められた秘密の作戦や当時陸軍が開発し、この風景画とも大いに関係する秘密兵器も併せて発表しています。戦争画というとなにか勇ましい印象ですが、この作家の描く戦争画はどこか静かで品の良い雰囲気が漂っている。日本画だからかだろうか。修復によって奇跡的に甦ったこの作品を皆さんにも見て頂きたいと思います。Yoshin(写真は修復前の部分です)