愛媛県内子町。
この数年、ご縁を頂く愛媛県。上岡美平は愛媛県の内子町に明治晩期に生まれ昭和12年、わずか27歳で戦死した画家。内子町に滞在し作品の調査を敢行。地元の学芸員さん、研究者と観察調査会。今も残るアトリエも訪ねました。わずかな制作期間に2百数十枚の作品を残した画家の作品を観ると確かな変遷が浮かび上がる。
10年余りの制作期間に生み出された作品を観ると前期中期、そしてなくなる頃の作品には明らかな変化、進化の変遷を見ることができる。春陽会でも研鑽し、木村荘八にも指導された時期があると言う。大正期でも異才を放つ荘八の絵画にもどことなく影響されたような気配も感じる。前半とは明らかに異なる筆致と簡略化したスピードのある描画は戦時下にもかかわらず明るく自信に満ちた画面だ。
