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絵画の修復工房から発信するスタッフブログ
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油彩画のコンディション観察講座 15「幼い巨匠5/署名・年紀」
今回は光学調査について、ほんのさわりでしたがお話ししてきました。光学調査といっても、電磁波などで得られた画像からさまざまな情報を判断するのは人の判断ですね。どのように絵を読み込めるかが勝負です。写真ではなく、実物の作品を見るとなるほどよく見えるものです。最後にこの「幼児像」に書かれていた黒田清輝の署名をお目にかけます。文字もなかなかいいですよね。次回はまた別の作品の光学調査もとりあげましょう。(Yoshin)f0223981_2140473.jpg
by tcstudio10 | 2010-05-27 21:41
油彩画のコンディション観察講座 14 「幼い巨匠4/あなたも見えない世界〜エックス線??」
さて、今日はいよいよX線での観察です。画面の下の方がかなり壊れちゃっているのが分かりますね。赤外線画像での観察では、作画の手順や手がかりが垣間見えましたね。X線ではどうでしょう。赤外線で観た「奇麗な」と表現した形態の把握の痕跡がありましたが、X線でもやはりそのような画像が得られました。描き直しや構図に迷いがないといっていい、小気味よい筆触が現れています。それにどうでしょう。何となく白黒写真のように、幼子の表情までも伺うことができます。これは、光を受けた陰影の表情を的確に表しているとい言うことができるでしょう。そうそう、すべてにおいて、けっこう的確なのです。やあ〜、黒田さんなら当たり前。という感じです。なんと言ってもモノホンの黒田清輝ですから。私は正直、本物とか、誰が描いたとかは、あまり興味がないです。ちょっと不謹慎かなあ。なにをいいたいかというとですね、やはりこの時代、この作品の経年の状態からするその昔、いや今の時代だとしても、このような描写や画面の構図に納めるのはけっして素人ではないよということ、ですね。座布団の端にある写真、これも座布団を描き、その上にちょんと置いてます。この場所に必要だったことが分かります。座敷犬の位地や、人形入れ方、これなんて、あのマンテーニャの「死せるキリスト」を思わせるじゃないですか。ちょっと逆パースでね。ここらあたりは、上手に形態を連ねています。やはりこの人、かなりの「手練」といえます。背景の文机もね、きっちりあるべきところに納めてます。当時では、相応の美術教育を受けた人といえますよ。。そう、あの黒田清輝の作品といわれていますから。。。。次回は最後にサイン、署名をお目にかけます。(Yoshin)f0223981_23522771.jpg
by tcstudio10 | 2010-05-25 23:54
☆写真の学会
アートや文化財関連にはいろいろな学術会議や発表の場があります。
今週、写真についての学会発表があります。写真や映像の世界は、デジタル技術、それも3ディメンションの進化や表現が著しく進んでいますね。この学会は、日本写真学会といって、古くは銀塩写真から最新のデジタル画像まで、画像そのものに関して、また表示用材料およびデバイスから画像マネージメント、その利用方法まで、広く画像科学と技術に関連した研究活動や発表をおこなっている組織です。今回は定例発表会のなかで、一般の方々も参考になる美しい写真の撮影方法なども紹介するようです。弊社のスタッフも発表に参加しています。
興味のある方はぜひ!(場所;キャンパス・イノベーションセンター東京)
*2010年度 (社)日本写真学会年次大会
http://www.spstj.org/event/nissya_e_syosai_39.htmlf0223981_1037302.jpg
by tcstudio10 | 2010-05-24 10:42
ゴーストアパート
今晩はいきつけの「天下鳥」で、とてもおいしい焼き鳥をいただいた。久々に泡盛のボトルを注文。ロックの勢いもあって好物の鳥料理をたらふく、気が済むまで。酔いも回って、気持ちのいい夜道の帰り、家の近くまで辿り着くと老朽化したという理由で取り壊しを待つ巨大なマンションをかすめた。今では人っ子一人いない。昭和はじめより、一頃は栄華を極めた巨大マンション。いまはひっそりたたずんでいる、っうか、かなり不気味。壊すに壊せないんだろうか。いつまで放っておくんだろう…。なんか出てこないうちに、なんとかした方が。。。何かいない方がおかしいって感じ。あれ何?なんかいるよ〜、ほらっ!怖わ(Tamaki)
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by tcstudio10 | 2010-05-23 23:05
油彩画のコンディション観察講座 13 「幼い巨匠3/あなたも見えない世界〜赤外線では?何が見える??」
さて今日はこの幼い巨匠の肖像「幼児像」を赤外線写真で観てみましょう。
今回アップした写真、向かって右が普通の白黒写真、左が赤外線写真。白黒写真と対比して観察することで、なにが浮かび上がっているのかを把握します。ちょっとみたところ、不自然なものは映っていませんね。奇麗な画像です。赤外線は紫外線が表面の吸収反射であるのに対して、やや内部まで電磁波が入って、吸収や反射を映し出したりすることがあります。炭素を吸収するの性質から下描きの線を捉えたりする場合なども。奇麗な画像といいいましたが、ようするには脱線していることがなく、描き直しみたいなところもない。この写真、よく見ると、いろいろなものが見えてきます。とりあえず、一つ、幼児の傍らの日本人形の襟の輪郭、また人形の足袋と、座敷犬の襟巻きに、きちっとした輪郭が浮かび上がっていますね。予め下描きをして、その上をナゾルように描いているようにも見えます。また、描写の最終段階で、縁取るようにかたちを決めていることもあるでしょう。要するに、慎重に形態を画面に納めています。たぶんすべての部分において、このような進め方をしているのでしょう。構図にしても、事前に計算して画面の割り振りを構成していたと考えられます。何気ないちょっとした下素描、または線描写ですが、このちょっとした表情が、作画の性質を表していますね。光学調査では、このような些細な事柄が発見できれば万々歳です。この小さな写真では観えないかな〜?今日はここまで、次回はX線を観てみましょう。(Yoshin)
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by tcstudio10 | 2010-05-18 09:00
油彩画のコンディション観察講座 12 「幼い巨匠2/光学調査」
前回の続き。今日は巨匠のご幼少の写真を側光線、横から光を当てたものと紫外線蛍光写真、ブラックランプで観察したものを観てみましょう。この作品は、比較的分かりやすい事例です。いわゆる光学調査は、さまざまな電磁波、光線を照射して透過、吸収、反射などの反応を観察し、状態やテクニックに関わる情報を得るもの。でもそんな光線でなんでもわかるわけではありません。まずは自然に作品を観察し、どこまで「絵」そのものを理解し、読み込めるかがポイント。でないと、どんな最先端の手法で検査しようとも作品は何も語ってはくれません。光学調査は、絵を理解した分だけ反応してくれる、といっても過言ではありません。下の写真の白黒写真のようなやつ、横からの光では、自然光下でも観る事は出来るものの作品の凹凸や、歪みなどが明瞭に現れます。向かって左端と右下には天地方向にスジみたいなの見えますよね。木枠擦れ、いわゆるストレッチャークリースというやつ。キャンバスが弛んでくると木枠に当たり、擦れが発生するわけですね。また紫外線蛍光写真を観てみると、画面の下辺あたりがうっすら黒く、黒青く紫外線を吸収しています。ここはやはり後に誰かが手を入れたのでしょう。加筆の痕が観られます。座敷犬のお尻近くもね、古い修理痕が現れています。そのように観ると画面のいろいろなところにありますね。最近は、ギャラリストの方やディーラーの方々、また学芸の方もブラックランプは手軽に持つようになっています。しかしながら、ブラックランプ、即ち紫外線蛍光反応、またその吸収の反応では、過去の修理痕が見えないケースもあります。巧妙に隠された物や、奥深い傷は発見できない事も多々ありますね。この作品はかなり手が入っていますね、しかも本人ではないようですよね。完成してからかなり後になって加筆しています。次回は赤外線またはエックス線で観てみましょう。(Yoshin)f0223981_225013.jpgf0223981_22545527.jpg

by tcstudio10 | 2010-05-14 22:58
雹(ひょう)におそわれる
今日は地方に出張の調査に向かいました。幕末ころに描かれた油彩画を調べに。調査巡りが多い今日この頃です。とくに今月は〜。帰り道、近くの海で一休み。とてもいい陽気になってきた感じで、きもちがいい。。。その後ハイウエイを走行中、突如暗雲立ちこめ、雹が突然降り出してきました。ものすごい音で、車に穴があくかと思いました。車の中だと音がもの凄いです。とくにオンボロ車だと。いい車だったらたいへん。その後は急に晴れたりしてね。おかしな天気。。。明日は修復の見積もりということになります(TAMAKI)f0223981_21503650.jpg
by tcstudio10 | 2010-05-12 21:51
油彩画のコンディション観察講座 11 「幼い巨匠1」
今日から何回かに分けて、油彩画の観察をしてみます。簡単な話で始めましょう。
ところでこの写真の坊やは誰かに似ていませんか。明治時代の有名な画家。教科書にも出てきます。
ご存知の方…もしわかったら相当なマニアですね。でも有名な方のご幼少の頃の姿です。昔のお人形や、わんちゃんがかわいいです。この方は、あの黒田清輝画伯。写真をもとに、ご自身で描かれたと伝えられているそうです。お顔が現存する黒田画伯の肖像に似ています。この作品は都内に住むある美術コレクターの方がお持ちの作品。真贋は?そんなことより、調査すると面白い事が色々出てきます。油絵は面白い。この作品は、数年前にわたくし共が調査、修復をおこない、その結果を修復学会で発表したものです。これは修理前の写真、だいぶ傷んでいます。ちょっとみてみましょう。お楽しみに(Yoshin)
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by tcstudio10 | 2010-05-11 16:46
油彩画のコンディション観察講座 10 「剥落の跡」
さて今日も亀裂の話です。亀裂も放っておくと、絵具の浮き上がり、そして絵具の剥落へと進行していくことが懸念されます。ついに剥落してしまったら、その状態もよく見てください。剥落、それは絵具だけなのか、地塗りまで剥落しているのか。剥落した欠損箇所をよく観察すると、作品の技法や現在のコンディションや制作手順、またそれが現在の症状と関係があるかもしれません。剥落や亀裂の原因にもよりますが症状はいろいろなことを教えてくれます。どんな手順で塗られているか。何層もの絵具の層が見えたりもします。また絵具の層間で浮き上がっていたり。地塗りは、しっかりとしているのに、絵具がごっそりとれてしまったとか、または古(フル)キャンバスに描いてあったとかね。割れたところをよく見ることで、この作品の性格がちょっと垣間見えたりしますよ。
お持ちの作品、もし剥落していたら、ちょっと観てみてください。何かの作品の上に描かれた、不安定な作品だったりね、そんなびっくりもあるかも?気になるもの、気になる症状を見つけたら修復工房へ。(Yoshin)
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by tcstudio10 | 2010-05-08 22:04
ある女流の命日
いまから40数年前の今日、ある女流画家がその波乱の生涯を閉じました。その名は長谷川春子。明治の時代に生まれ、大戦に翻弄されながらも、昭和の時代まで駆け抜けた女流画家です。わたしの好きな女流作家のなかの一人。
明治28年、東京日本橋に7人兄弟の末として生まれた春子は、後に劇作家小説家、随筆家となる長谷川時雨の妹であり、姉の時雨から多くの影響を受けたようでうで、鏑木清方、梅原龍三郎にも師事し、そして1929年には渡仏し、藤田嗣治を訪れて親交をもった。その年、パリのザック画廊で個展を開催、また当時、姉の時雨が発刊した「女人芸術」誌では、春子が美術部門を担当、巧みな漫画を描いたり、また彼女の企画によって、多くの作家たちがその表紙を飾った。多才です。仏より帰国後には、国画会や朱葉会にも出品。そして三岸節子、藤川栄子らと女流画家7人で七彩会を結成しました。なにしろ逞しい女性。
大戦中の彼女はというと、さまざまな活動をおこない、「女流美術家奉公隊」を結成、桂ユキなどを誘い、国策に乗じた活動を牽引した。その時代に描いたのが写真の作品(「少婦國を防ぐ」)。戦後は戦時中の活動が原因で、やや静かな時期もあったが、やがてまた数々の興味ある秀作を作り続けた。晩年には「源氏物語絵巻」五十四帖を完成さ、没後には宮崎宮に奉納されている。1967年(昭和42年)の今日、72才で逝去した。

このブログに掲載したこの未発表作品、長谷川春子作「少婦國を防ぐ」を、今年の文化財保存修復学会で研究の対象として発表します。未発表の戦時中に描かれた作品。明治に生まれ大戦中にも逞しく生きた女性が描いた作品に私は興味を持ちました。発表後はまたHP内で掲示させていただきますので、興味のある方はぜひご覧くださいね。(Yoshin)
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by tcstudio10 | 2010-05-07 22:34