人気ブログランキング |
Tokyo Conservation twitter Tokyo Conservation facebook Mail to Tokyo Conservation

絵画の修復工房から発信するスタッフブログ
by tcstudio10
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新の記事
紙本修復部門再開について
at 2019-06-18 16:33
愛媛県内子町に滞在・上岡美平..
at 2019-05-19 14:50
修復は続く
at 2019-04-11 16:44
四国で講演
at 2019-02-12 16:54
お問い合わせに関しまして〜調..
at 2018-09-04 17:09
カテゴリ
全体
未分類
以前の記事
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 02月
2018年 09月
2018年 08月
2017年 08月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 06月
2016年 04月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
ロンドン(5)ティツィアーノ有色の地塗り
さて、ロンドンの滞在記の続き。ナショナルギャラリーは様々なカテゴリーに分けられた展示室になっている。さまざまなヴェネツィア派の作品が飾られる中、よく見たことのある名作がズラリと並ぶ。じつは初めて見るような作品もありでちょっと興奮気味。丁寧な修復のおかげで作品の下層までよく見ることができる。褐色の地塗りをじっくり観てきたが、やはりこの頃の作品は予備的な地塗り層の効果が遺憾なく発揮されている。この頃の作品は地塗りの効果を味わうのも鑑賞のポイント。ティティアーノ、描かずに塗り残された有色地塗りは、噂に違わず下層からその輝きを放っていた。
f0223981_9491736.jpg

# by tcstudio10 | 2015-10-12 09:50
ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智先生
ブログでも時折お話してきた北里研究所、また韮崎大村美術館館長の大村智先生。微生物などから得られる天然有機化合物に関するの探索研究を続け、これまでに類のない450種を超える新規化合物を発見したといわれ、アフリカの人々始め多くの人たちを救ってきた先生の研究が認められノーベル賞を受賞された。おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
大村先生は、著名な科学者でもあられるが、また美術家でもあられる。多くの美術コレクションを有し、弊社では、先生のコレクションの調査や修復などをさせていただいている。また、文化財保存修復学会では、先生のコレクションの中から作品も修復させていただき、大村先生と共同研究発表という形で学会に発表させていただいたこともありました。また、お世話になった今は亡き、荻太郎先生の遺作をめぐり大村先生が引き取られた作品のなかには、二枚重ねの名作(荻太郎作「踊り子小休憩」;荻先生が始めて新制作に出品された作品でした)が隠され、それも一大センセーション、美術館で発表するということもありました。大村先生は、常に作品や作家、作家の遺族にも寄り添って心を配られ、丁寧に美術品を収集されておられる。
さまざまなエピソードは大村先生の著作、「人生に美を添えて」にも描かれています。写真は、大村先生とご令嬢さま森田元子展レセプションにて/(韮崎大村美術館にて)。そして弊社で修復させていただいた作品が展示されています。そして、弊社室長と大村先生のツーショット。~スタッフTamaki
f0223981_111838.jpg
f0223981_11175271.jpg

# by tcstudio10 | 2015-10-06 11:20
今年の修復学会の研究をアップ
ちょっとご報告など遅れましたが、今年の修復学会の原稿をホームページにアップしました。
今年の研究も戦時下に足掻かれた絵画の継続的なシリーズ。
2014年9月に川崎市市民ミュージアムにて「いろいろ、そうそうー田中岑」展が開催されました。弊社ではその展覧会に先立った作品の修復を担当させていただき、同時に戦時下に描かれた作品の調査と修復をさせていただく機会を得て今回の発表に至りました。  
このたびの研究対象は「三人の構図」という田中岑が描いた作品。田中は、大正時代に生まれ第1回安井賞の受賞者としても知られ昭和—平成と活動した画家である。香川県の豊浜町に生まれ、小林万吾主催の同舟舎で学び、東京美術学校へと進む。そして日本大学芸術学科へ転入し入学時から卒業間際の昭和16年までかけて描かれた「三人の構図」は、立つ、座る、横たわる人物像を描いたもので卒業生制作のエスキースとして描かれ、田中自身が終生手元に保管してきた作品であり、晩年に制作する戦争で亡くした友の顔を表した「さざれ石」(右下図版参照)とともに、入隊する画学生仲間を強く意識した、生と死を思想した作品。戦時下、そして戦後も創作活動の中で戦争と向き合い、折に触れ各時代での「戦争画」を描き綴った画家あった。修復室長は、田中画伯ともインタビューの機会をいただきましたが、残念ながら実現せず、この川崎市市民ミュージアムでの展覧会が開催される前に惜しくも亡くなられました。
ぜひ学会発表原稿ごらんください。(写真は原画部分とX線写真部分)
f0223981_116402.jpg
f0223981_1162817.jpg
~スタッフ・Shigeo
# by tcstudio10 | 2015-10-02 11:08
ロンドン(4)モネのタッチ
さて、ロンドンのナショナルギャラリーには伝統的な古典絵画もあればモダンアートや印象派などもある。あちこちの美術館で観る事のできる印象派だがここのモネもすばらしい。間近で観る大きなモネの作品はその画面、テクスチャーに魅かれてしまう。その立体的なタッチは画面の平面性を強調した筆致だ。
画面全体を覆う厚塗りなタッチに釘付け。この時代以降に現れ始める、いわゆる抽象表現や平面構成にも多いに影響を与えただろう。深いモネに、ついつい絵を斜めから観察する不思議な鑑賞スタイルになってしまう。。
f0223981_22493581.jpg
f0223981_22492654.jpg

# by tcstudio10 | 2015-09-30 22:50
ロンドン(3)ナショナルギャラリーと明治期肖像画の鬼才、原撫松
ロンドンのナショナルギャラリーといえば、思い出すのが我が国明治期の作家、原撫松(はらぶしょう)だ。彼は明治時代、特に東京美術学校で絵を学んだ優等生でもなく、外来の作家から技法を伝授されたわけでもない岡山出身の武家に生まれた画家だった。侍の親には画家志望を反対されながらも京都府画学校卒業後、国内では肖像画家として活躍したが、その肖像画は財閥や企業に所蔵されたせいか数多く残ってはいない。数少ない肖像画は芸大や東博に数点は保存されている。当時、彼は日本にいたところで、これ以上西洋画は学ぶことができない!と、一念発起し、単身渡英しナショナルギャラリーでレンブラント、ルーベンスなどの模写に明け暮れた。その鬼気迫る模写は地元の新聞や評論家を唸らせたという。ついに会得したレンブラント流の絵画技法は、当代の我が国において、類い稀なものだったと言える。国内の画家たちや、美術団体とは、およそ交わらず夢に見たレンブラントをひたすら目指し、命をかけて渡英した原の生きざまは、その画業にも勝り感銘を受けたものだ。
帰国後の彼は燃え尽きたように、英国での名作を残し、わずか数年で亡くなってしまう。
研究室時代に原の作品を修復し、研究した私には、ナショナルギャラリーは、此処に立ち模写を繰り返した原の姿を思い起こさずにはいられない。写真は原によるモンタギュ婦人像。まさにレンブラント調!です。
f0223981_22154243.jpg

# by tcstudio10 | 2015-09-29 22:28